ぽり雄の通勤ランニング

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かすみがうらマラソンに参加する

かすみがうらマラソン。
国際盲人マラソンも兼ねたこの大会は、盲人伴走ボランティアランナーや救護ボランティアランナーとしての参加も可能なほか、地元の方の私設エイドが多く、現地の人と触れ合う機会の多い大会としても知られている。

荒川マラソンから一ヵ月後。期間を置かずフルを走ることへの不安は大きかったが、この大会の雰囲気をぜひ感じてみたい・・・そう思い ぽり雄は今期最後のフルマラソン大会として、この大会に参加することを決意した。

さて、そしていよいよ当日。
心配していた気温の高さや、雨も降ることなく大会は開催されることとなった。
ぽり雄は電車の乗り継ぎが悪かったせいで、スタート時間ギリギリで現地入りする。スタートする場所が分からず、地図を片手にしばしうろうろ・・・。
この時、グランドの片隅で10マイル走のスタートが切られた。数分後に同じ場所からフルのスタートも切られるはず。上着を脱ぎ、慌ててその場所に向かった。
荒川の時と同様、スタート地点は大変混みあっている。この時はこれからフルを走るという緊張感よりも、スタートに間に合ったという安堵感の方が強い。ぽり雄はこれから訪れる苦難の行程など、考える余地もなかった・・・

● ついにスタート!

いよいよスタートが切られた。
ランナー達はゆっくりと進み始める。ものすごい混雑!始めの数キロはなかなか思うように走ることができなかった。この大会のコースは序盤に陸橋や坂が多い。ここは流れに身をまかせてのんびり走ることにしよう・・・
沿道では沢山の人が応援に駆けつけてきてくれている。その中でひときわ大きく声援を送ってくれている少年野球部員の集団を見付けた。
皆、手を差し出してくれている。「これはいい機会だ」ぽり雄は集団に近付き、全員とハイタッチをする。
パパパパーン!・・・通り過ぎると後ろで子供の会話が聞こえる。「オレ、これで212人目だよ~」
なんとそんなに多くの人に元気を分けてくれているんだね。ありがとう、少年達。

先にも書いたが、この大会は盲人マラソンも兼ねている。そのため伴走者と共に2人で走る方も多く見受けられた。
しばらくその後ろを走る機会があったのだが、2人の会話が聞こえてきた。
「沿道の子供達が声援を送ってくれてますよ。」
なんでもないこの会話。しかし、ぽり雄は深く感じ入らずにはいられなかった。
ただ一緒に走っているわけじゃないのだ。
伴走者はまさに目となり、走りを共有している。
想像するに、ただ曲がるだけでも、どっちへ曲がるのか、どれくらい曲がるのか。目で見ればすぐ分かることでも、言葉にして伝えるのはどんなに難しいことだろう。
2人がお互いに持つロープ。なにやら絆のようなものを感じてしまった。

その後は順調に飛ばし、中間地点にさしかかる。この辺りではなんと、立派なお城を見ることができる。さぞや名の知れたお城だろう・・・と、後で調べてみたら郷土資料館とのこと。すごいな~。次回はこのお城を目標にがんばることにしよう。

● 苦難の道

25km地点。悪夢はここから始まった。
突然、ここで股関節の痛みを感じる。
今までに感じたことのない傷み・・・
不安になりペースを落とすが、痛みはさらにひどくなってくる。
これはいかん!
立ち止まり、屈伸運動をする。
今まで膝やスネが痛くなったことはあったが、股関節の痛みはあまり経験がない。どうしていいものか、さっぱり分からない。
歩幅を小さくしてみたり、重心を移してみたり、これ以上痛みがひどくならないように走り方を工夫してみるが、効果がない。
ここから30km地点までは走ってはストレッチし、また走ってはストレッチするの繰り返し。
しかし30kmを過ぎ、今度は両膝にも痛みを感じてきた。
だめだ、もう脚が動かせない・・・
ぽり雄はこれ以上走ることを断念してしまった。

くやしい、くやしい・・・何度も心の中でつぶやく。
バンバン!と痛みで力の入らなくなった脚を殴りつける。
しかし、返って来るのは痛みだけ。ここまで状況が悪化した以上、どうすることもできない。
せめてリタイヤはせず、ゴールだけはしたい!
その思いだけで歩き続けた。

歩き始めるとどんどん体が冷えてくる。・・・寒い。
腕や脚をさすりながら歩く。
ゴールまで、まだ10km以上・・・はたしてたどり着けるのだろうか。
ぽり雄の前で若いお兄さんランナーが立ち止まった。
「脚、痛てー・・・」つぶやきが聞こえる。
そうか、君もか。共に最後まで諦めずがんばろう・・・。

そのうち痛みで歩くのも苦しくなってきた。
そんな時、私設のエイドステーションが目に入る。
そこには 暖かいお茶やおにぎりなど、いろんな物が用意されている。
冷え切った体にはとてもありがたい・・・
「ありがとうっ!!」
自然と出たこの言葉。本当に心の底から、そう思った。
大会でこれほどの苦境に立たされたのは初めて。
エイドの方々にはいつも感謝の心を持っているが、今回の私設エイドの方は特別、後光が射して見えた。

エイドで力を貰った ぽり雄は再び歩き出す。
途中で4時間のペース走をしている集団に追い越される。
「みんながんばれーっ」
心の中で応援をする。
35km過ぎでは沿道のおじさんに「ここくらいだと足が動かなくなるよね。」と声をかけられる。
「そうなんです・・・」と笑顔で返事をしようとするが、痛みで顔が引きつるのが自分で分かる。
39km地点。仮装した男性が「39キロ!39キロ!」と大声で連呼している。
「あと3kmか・・・ありがとうございます!」
こんな状態だからだろうか。みんなの応援が心にしみる。

「あと1kmだ、がんばれ!」沿道から男性の声が聞こえた。
この言葉が ぽり雄の心に火をつけた。
せめてラスト1km、走ってやる!
正直、走るといっても足が全然前に出て行かず、スピードは歩くのとたいして変わらない。
それでもこの時はなぜか、「脚がどうなっても走りたい!」そんな気持ちになっていた。
歩を進める度にズキンズキンと痛みがはしる。
1キロってこんなに長かったっけ?
一瞬、後悔の念が頭をよぎるが、もう止められない。
会場が見えてきた。
痛みで頭がボーっとして何も考えられないが、着実にゴールは近付いている。
ゴールのある陸上競技場に入る。
ここでも後続のランナーに次々と抜かされる。皆、最後の力を振り絞り、力いっぱい走っているのだ。

そしてついにゴールの白線を踏むことができた!
タイムは4時間21分50秒。
フルマラソンのタイムとしてはワーストとなってしまったが、この時自分の中では不思議と充実していた。
これほど辛い思いをしているのに、とても不思議。
走って良かった。完走して良かった。

● かすみがうらマラソンの感想

噂では聞いていたが、この大会の私設エイドの多さには驚いた。
そして、地元の人をこれだけ身近に感じたことも なかなかなかったように思う。(もっとも後半をほとんど歩いていたからそう感じたのかもしれないが。)
また、もともと自分の健康のために走り始めた ぽり雄だが、今回多くの盲人ランナーと伴走者、そして救護ランナーと共に走る機会を与えられ、「自分だけの走り」から「人と共に走ること」へと、走りの視野を広げることができたような気がする。
沿道で応援して下さった方々、ボランティアランナーさん、小雨が降るなどの寒い中でしたが、ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。


さあ、これでフルマラソンはしばらく走る予定がなくなった。
これからは秋のマラソンシーズンに向けてリベンジできるように頑張るぞ!
はやくも頭の中は次の大会で走ることでいっぱいになってしまった。
もはや、ぽり雄にとって走ることはなくてはならないものになってしまっているようだ。
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by porio25 | 2006-04-17 15:35