ぽり雄の通勤ランニング

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チャレンジ富士五湖完走記4

40kmを過ぎ・・・

河口湖湖畔の素晴らしい景色に助けられながらも、ぽり雄は着実に中間地点へ近付きつつあった
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しかし・・・

にょえ~っ!?

思わず奇声を発した ぽり雄の目前には、急な坂が行く手を阻んでいた。
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(写真だと勾配がさほど感じられないが、実際見たときの衝撃度たるや・・・)

しかもこの坂は意地の悪いことに後半になるほど勾配が増していくのだ

はじめ、走って上ろうかと努力してみるものの・・・坂に押し戻され、その場でピョンピョンと足踏みをする形になる珍現象が発生し、ぽり雄は走るのを断念する。

前へ進むための筋力の喪失・・・50kmという距離は確実に ぽり雄の体を蝕んでいたようだ。

仕方がないので、歩いて坂を上る ぽり雄。

途中、トイレなんかにも寄ったりして・・・ゆっくり上る。

辛抱・・・辛抱・・・。

自分に言い聞かせながら坂を上りきり、50kmの関門を兼ねたエイドステーションにたどり着いたときには、ぽり雄のなかに様々な感情がわき起こった。

よし!中間地点まできたぞ。
まだ半分しかきてないの?
これから先が、勝負だぞ!
最後まで脚がもつかな・・・。


前向きな感情と後ろ向きな感情が交錯するなか、ぽり雄は気合いを入れ直してエイドを後にした。

しかし、すぐ目前に見えるのは気力を根こそぎ奪い去るような上り坂・・・。
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50km~・・・

はぁはぁ・・・。

息を切らせながらも やっとたどり着いた、3番目の湖・西湖。
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河口湖同様、この湖もまた美しい・・・

しかし、ぽり雄のなかには前回のような感動は沸かなかった。

体が動かない・・・頭がぼーっとして視野が狭く感じる。

後で気付いたことだが、この辺りは所々に桜も咲き、眺めは最高に良かったらしい。

しかし、そんな桜にも気付かないくらいに ぽり雄は憔悴しきっていた

その原因はおそらく・・・エネルギー切れ

マラソンを走るとき、万一のときのために ぽり雄はパワージェルを持って走るのだが、今回に限って忘れてしまっていた。

代わりに忘れずに持ったデジカメが妙に重く感じられてくる。
・・・そういえば聞いたことがある。
ウルトラマラソンで体が動かなくなったランナーが、持っていた500円玉ですら重さを感じ、その場に捨てようと思ったという話を・・・。

ウルトラ初挑戦の ぽり雄がデジカメを持って走るなんて・・・考えが甘かったのではないか!?
ムクムクと後悔の念が頭をもたげる。

ゴォーーーッ!

視線は落ち、前を走るランナーの足元だけを見て走っていた ぽり雄に、向かい風の強風が吹き付ける。

湖畔のコースは隣接した山に沿って曲がりくねっているのだが、曲がる角度によっては山肌をつたう風が正面から吹きつけてくるのだ。

これは・・・無理かも。

弱気になった ぽり雄は歩くことが多くなった。


60km~・・・

西湖を過ぎ次の精進湖へ向かう途中、ぽり雄に天から助けが差しのべられた。

それは、エイドステーションで振る舞われた うどん

疲れた体に うどんが染み渡る(!?)のが感じられる。

うどんって、こんなに美味しかったっけ?

感激しつつ もう一杯お代わりしていると、ぼーっとしていた頭が冴えてくるのが感じられた。

これならまだいけるかも。

ここにきてまだ体力が回復できるなんて・・・

ぽり雄は60km以上を走って改めて気付かされた・・・補給の大切さを。


うどんパワーは凄まじく、それまで止まりかけていた 脚は復活し、ゆっくりながらも再び ぽり雄は走り出した

これは樹海大橋から眺めた絶景。
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とんでもなく長くて高い橋を渡れば、いよいよ最後の湖、精進湖だ。
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この湖もまた青くて美しい。
本当にこの大会は、景色を楽しませてくれる大会だと実感した。

これまで ぽり雄は、この景色にどれだけ助けられたことだろう・・・。

そして、またしても見えてきた「エイドまで1km」の看板。
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5km毎に配置されたエイドだが、この看板を見つける度に、「もう少し頑張ろう」と ぽり雄は勇気づけられた。

初めてのウルトラマラソンにこの大会を選んで良かった・・・ぽり雄は心底そう思った。

70km~・・・

2番目の関門である本栖湖近くの県営駐車場を折り返し、ぽり雄は再び湖を目指した。

今度は今まで走ってきた湖の対岸を走ることになる

ぽり雄は、この頃になるとスタミナ切れとは違う・・・他の変調が体にきたしているのを感じていた

屈伸をすると脚の筋肉そのものに激痛がハシる。
もともと痛めていた腰にも張りを感じる。

10時間近くを走り、体の負担も相当なものになっているようだ

しかし、そんな時にも ぽり雄の支えになったのは素晴らしい景色だった。
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同じ湖でも、対岸を走るとお日様の光が反射して輝いて見える。
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トンネルに入ると、行きは逆風だったけど帰りは追い風が吹き抜け・・・気持ち的には楽に感じた。
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80km~・・・

再び河口湖湖畔を走る。

河口湖は入り組んだ形をしており、富士五湖の中でも周囲の長さは最長を誇るという
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遠い向こう側に見える岬を眺めては「あそこまで走るのか」と ため息をつき・・・岬を越えては先に見える想像以上にへこんだ岸辺を見て「冗談はやめてくれ」と落胆してみたり・・・。

今となってはいい思い出(!?)だが、「あと20km」という現実が、ぽり雄の走りを支えた

90km~・・・

河口湖を離れ、いよいよゴールのある富士北麓公園に向かって走る。

眼前に見える大きい富士山を見ながら、ぽり雄は走ったり歩いたりを繰り返す。
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数時間前・・・同じ道を走っているとき、ぽり雄は既にへばっていた。

当時はとても先のことなど考えられる余裕なんてなかったのに、現実には今こうしてここまで来れている

やればできるのだ。

そう思える自分が、少し誇らしかった。

「頑張ってくださ~い!」

道行く車の中から、時折子供達が声援を送ってくれる。
ぽり雄は手を振り返した。

ありがとう・・・ゴールまであと少し、頑張るよ!

95km~・・・

やがてコースは町中を外れ、林の中へ・・・。
富士山の麓にあるゴールへたどり着くには、ひたすら斜面を上らなければならない
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延々と続く斜面。
脚にはもはや、この斜面を駆ける力は残されていない・・・。

たとえ歩いてでも・・・先に進めば必ずゴールできる!

それだけを思い、先へ進んだ。

日はだいぶ傾き、森は暗くなっていく。
しかし眼前に見える富士山だけはハッキリと輝き、ぽり雄の脳裏に焼き付いた。
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今まで、この山にどれだけ励まされたことだろう・・・

よし!

ぽり雄はついに斜面を上りきった。
残り1kmあまり・・・ゴール地点までは緩い下りになる。

最後は・・・走ろう!

ぽり雄は、ぎこちなくも走り出す。

ズキン、ズキン・・・。

脚を踏み出すごとに痛みがハシるが・・・ここは我慢だ!

実際、ここに来るまで「何故走っているのか」と何度も疑問に思ったりもした。

でも辞めずにここまで来た・・・ここまで来れた。

大きな喜び。

その喜びが、体にハシる痛みを押さえつける。

ゴールのある富士北麓公園に入ると、皆が拍手で出迎えてくれた。

ありがとう・・・ほんとにありがとう。

なんだかやたらと拍手が心に染みた・・・



競技場の中に入り、先のゲートにゴールテープが張られているのが見えた。

早朝まだ暗い中を走りだし・・・十数時間走り続け・・・どれだけこの光景を見るのを待ち望んだことだろう

腰に怪我をして、なお大会に強行出場し・・・どれだけこの光景を夢見たことだろう


その光景の中を・・・今・・・走り抜ける!
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ぽり雄は、テープを切った。

タイムは12時間54分。

ゴール後、係の人が ぽり雄の肩に大きいタオルをかけてくれた

暖かい・・・。

タオルに顔をうずめ、ぽり雄は初めてのウルトラマラソンが終わったことを実感した



まもなくして日は落ち、空が赤く染まっていく。
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ぽり雄は思う。

終わったけど・・・終わりじゃない!

ぽり雄はこれから先も、ずっと走り続けるだろう。

そんな中、ウルトラマラソンは走り続けるための課題を・・・今の ぽり雄に何が足りないのか問題を提起してくれたような気がする。

これだけ走って、なおかつ走る気になるとは驚きだったが・・・

もっともっと走って体調も万全にして、もう少しマシな状態になったら・・・また走りに来るよ

富士山!

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by porio25 | 2008-05-09 00:37